最近「夜に食べる食事」のことを「夜ごはん」(よるごはん)とかいう表現をやたら目にするようになった。YouTubeなどの動画で散見されるが、既存メディアのテレビ番組等でも見かけることが多い。
「夜に食べる食事」を表現する言葉としては「夕食」(ゆうしょく)、「夕飯」(ゆうめし)、「夕御飯」(ゆうごはん)、「晩飯」(ばんめし)、「晩御飯」(ばんごはん)等がある。「昼に食べる食事」も「昼食」(ちゅうしょく)、「昼飯」(ひるめし)、「昼御飯」(ひるごはん)はあるけど、
「夜ごはん」ってなんやねん!
そんな言葉はありません! なんというか、ちゃんとした言葉を使おうよ。「夜ごはん」なんて「夜のごはん」という、書き下し文のような感じで、非常に幼稚な印象であり、「ちゃんとした言葉を知らないのかな?」と暗澹たる気持ちになる。いい大人がみっともない。
もし「夜ごはん」を容認すると「夜食」(やしょく)との区別はどうするの? という疑問も生じる。若い世代を中心に、生活パターンが多様化(!)した結果、宵っ張りが多くなってきたことで、夕食と夜食の境が曖昧になった事もあり、このような稚拙な表現でごまかす(ごっちゃにする)風潮があるのかもしれないが…
屁理屈をこねて「夕方には食べないので、夕御飯とは言わないと思いま~す」というような小バカがいるかもしれないので、一番一般的な「夕食」か、より範囲が大きい「晩御飯」「晩飯」を筆者は推奨したい。「晩」であれば夕方から深夜まで網羅できるし「朝昼晩」(あさひるばん)という熟語もあるので自然だろう。まとめると、
- 朝食 → 昼食 → 夕食 → 夜食
- 朝飯 → 昼飯 → 晩飯(夕飯を内包) → 夜食
- 朝御飯 → 昼御飯 → 晩御飯(夕御飯を内包) → 夜食
のいずれかとすれば一定の統一感があって誤解もないはずだ。
賢明な皆さんは、「夜ごはん」なんて言わないで、ちゃんと 「夕食」「晩御飯」「晩飯」とか言うようにしましょうね。
令和2年7月1日 初出
令和2年11月17日 改訂